みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。

日に日に暖かくなり、外出するにはもってこいの季節のはずですが・・・今年はそうもいきませんね。新型コロナウイルスの影響が私たちの生活のいたるところに表れていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか？　元気にされていますか？

さて本日は、新型コロナウイルスの感染が拡大している今この時期に歯科医院に来院して大丈夫なのか？ということについてお話しさせていただこうと思います。
テレビや新聞、ネットなどでは新型コロナウイルスに関する様々な情報が日々数多く流れております。
その中に
「歯科医院は危険」
「新型コロナウイルスの感染リスクの高い歯科医療」
という類の情報を目にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
これらについて私の意見を書かせていただこうと思います。

１　歯科医院に行くと新型コロナに感染する？

まず、歯科医院は感染のリスクが高いのか？という点についてですが、
これは確かに、リスクが高いということが言えるかと思います。

ただ、この感染のリスクが高いというのは、患者さんではなく我々歯科医療従事者に対してということです。
もしも来院された患者さんがコロナウイルスに感染していた場合、口腔内の治療をする我々歯科医療従事者は感染のリスクが高まります。
歯科も医科も同じ医療です。今回のような感染症が流行した場合、その最前線に立つ医療従事者は当然高いリスクにさらされることになります。
感染症の疑いのある方を中心に診察されているお医者さんや看護師さんとは違い、歯科ではあくまで口腔内に病気を抱えている方を診察しますが、患者さんと向き合い、口腔内に直接触れる職業でありますので、やはり感染のリスクが高いといえるでしょう。

一方、医療従事者から患者さんに感染する可能性は極めて低いと考えていただいてよろしいかと思います。実際現時点でそのような経路での感染は1ケースたりとも認められておりません。
当院では、患者さんの口腔内に触れるのは歯科医師と歯科衛生士にのみです。両者とも医療の専門家です。プロです。自分が感染したら、それによってどれだけの影響を与えるか、一人一人全員が認識をもって仕事をしています。
毎日診療前にスタッフ全員が検温を行っておりますし、体調がいつもと違うと感じたスタッフがいれば、相談の上、しかるべき指示を出します。また医院からも外出自粛の要請を出している等々。できうる限りの対策をとっています。
それでも、万が一。診療したスタッフが感染していたら。。。
しかし我々は当然マスクをしておりますし、状況によってはフェイスシールドも装着して診療を行っています。グローブは患者さん毎に確実に交換しますし、その際手洗いと手指消毒を行います。これらをはじめとするスタンダードプリコーションを遵守し、診療を行っています。

ですから、安心して来院されてください。　と言いたいところではあるのですが、それでも患者さんお一人お一人のお考えはそれぞれですし、１００％確実に安心です。とは言えないのもまた事実ですので、そこがなんとも歯がゆいところではありますが。。。

間違いなく言えることは、歯科医院に来院することが、例えば買い物に出かける、外食に出かける　等よりも感染リスクが高いのかというと、それはありません。むしろずっと低いのではないでしょうか。

 

２　リスクが高い ＝ 感染する？

歯科医療従事者は感染のリスクが高いということに関しては、私もその通りだと思います。　では、この“リスクが高い”とはどういうことでしょうか？　リスクは日本語で危険の生じる可能性（危険度）　と訳されています。
今回の件に当てはめれば、「歯科医療従事者は新型コロナウイルスに感染する危険度が高い　」ということになります。訳してみてもイマイチ分かりにくいですね　汗
要するに、リスクが高いということは感染する危険が大きい。という感じですよね。
ここで間違えてはいけないのは、リスクが高いと危険度が大きい
けれども、リスクが高い→高い人は全員感染する　ということには繋がらないということです。
例えば、歯科であれば、むし歯や歯周病がある人は、ない人よりもそれらの病気になるリスクが高いということが言えます。では、リスクの高い人は、たとえ一度治療をすべて終えたとしても再びむし歯や歯周病になる運命なのでしょうか？
いいえ、そうではありません。確かにリスクが高いことを認識せず、病気になる前と全く同じ習慣を続けていたらその人は再び病気になる可能性が高いです。（＝リスクが高いまま）
反対にリスクを認識し、リスク因子を一つ一つ排除していくことができれば、再び病気になることを防ぐことができます。（＝高かったリスクを下げる）

現在、巷では新型コロナウイルスの感染リスクが高い職業ランキング　というような不安以外の何も生み出さないようなものが注目されているようです。
そのトップの職業に歯科衛生士と歯科医師が入っています。
では実際、歯科衛生士や歯科医師のコロナウイルス感染率は、それ以外の方の感染率よりもずっと高いのでしょうか？
いいえ。そんなことはありません。
むしろ感染率はずっと低いというのが今のところの事実です。
それは、歯科衛生士も歯科医師もリスクが高いということを認識しており、そのうえでリスクを極力減らすための手を尽くしているからです。だからこれだけリスクが高いと言われていても、感染せずに済んでいるのです。
ですから、もしこのブログを歯科衛生士をはじめとする歯科医療従事者の方が見てくれているとすれば、様々な情報が錯綜する中、不安と闘いながら毎日を過ごされていると思いますが、どうか正しい知識を持ち、必要な感染予防策を講じていただけたらと思います。

長くなってしまいましたが、2つの事項について書かせていただきました。

だから、何の心配もせず安心して来院されてください。　と申したいわけではなく
それでも今の状況での来院は避けたいと考えられる方もいらっしゃるでしょうし、ご高齢であったり全身疾患をお持ちの方には、歯科医師の判断の元、こちらからご予約変更の連絡を差し上げております。
そして、今この時も歯科医療が必要な患者さんは大勢いらっしゃいます。
歯科医療が必要な方に必要な医療が届けられますよう、私たち最善を尽くしてまいります。

どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。