みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の増田です。
ここ数日にわか雨が続き、急に暑さが少し和らいだような気がします。
夏に食べたくなる食べ物といえば、みなさん何を想像されますか?
アイスクリームなど糖質の多いものは虫歯に対して注意が必要ですが、実は虫歯以外にも「酸」で歯が溶けてしまう事があるのです。
「酸蝕症」という言葉を耳にしたことはありますか?
酸蝕症は主に、普段から口にする食べ物や飲み物に含まれる酸によって起こります。
酸を含む食品は非常に多く、健康に良いとされる果物やフルーツジュース、サラダドレッシングなどにも含まれます。例えば、グレープフルーツなど酸が多く含まれた果物を毎日定期的に食べていると、酸蝕症のリスクが増加します。
酸が歯に接触すると、歯の表面の硬いエナメル質は一時的に軟らかくなり、歯やハブラシ、舌で触れただけでも、エナメル質がダメージを受けやすくなります。
さらに、ブラッシングの時に力を入れすぎると、食べ物や飲み物に含まれる酸によるエナメル質への影響をもっと助長してしまいます。
酸性の食品を口にした後は、エナメル質が最もダメージを受けやすい状態になるため、特にブラッシングの圧には注意が必要です。
また、酸性の薬剤の服用、胃酸の逆流(頻繁に嘔吐をする)なども酸蝕症の原因となります。
食べ物・飲み物の酸性度を把握しておくと、酸蝕症による影響から歯を守るのに役立ちます。
【高い酸性の食べ物】
炭酸飲料(ダイエット系を含む)
スポーツ飲料
トニックウオーター
ワイン
ジュース
ドレッシング
レモン果汁
酢
ピクルス
オレンジ
トマト
いちご
サクランボ
ビタミンCタブレット
【中等度の酸性の食べ物】
ビール
紅茶
ニンジンジュース
ビーツジュース
トマトケチャップ
バジルソース
ハチミツ
野菜
干しブドウ
りんご
梨
イチジク
グリーンオリーブ
ただし、これらを口にしたら絶対に酸蝕症になるというわけではありません。正しいエナメル質のケアを知った上で、酸蝕症から自身の歯を守っていきましょう。
1.過去6ヵ月間、歯科医を受診していない場合は、診察の予約を入れましょう。
2.普段の食生活の中で、酸性の食品を避ける必要はありません、果物を摂取しても問題ありません。ただ、食べ方を見直してみましょう。酸性のものを食べる時は、チーズや牛乳、あるいは酸性ではない他の食べ物や飲み物を取り入れてみてください。また、間食の回数も減らすようにしましょう。
3.酸性の飲み物を飲む時はストローを使い、がぶ飲みをしたり、口の中に溜めたりしないようにしましょう。
4.歯質を強化するフッ素配合のハミガキを使用し、1日2~3回ブラッシング。歯を磨く際は力を抜いてやわらかくブラッシングをしてください。
酸蝕症になると、歯が溶けてしまい、知覚過敏の原因にもなります。
冷たいものやブラッシングでしみている歯がある場合、普段の食生活の特徴はないか見直してみてください!