妊娠時の口腔管理

みなさん、こんにちは。

勝沼歯科医院の増田です。

毎日暑い時期が続いていますね。

そろそろ梅雨入りの季節かと思われますが、私としては少しでも食物が育つようにたくさん雨が降れば良いなぁと思っています。

 

「妊娠性歯肉炎」という言葉を耳にした事はありますか?

一般に妊娠すると歯肉炎にかかりやすくなるといわれており、これには女性ホルモンが大きく関わってくると言われています。

特にエストロゲンという女性ホルモンがある特定の歯周病原細菌の増殖を促すこと、また、歯肉を形作る細胞がエストロゲンの標的となることが知られています。

そのほか、プロゲステロンというホルモンは炎症の元であるプロスタグランジンを刺激します。

これらのホルモンは妊娠終期には月経時の10~30倍になるといわれており、このため妊娠中期から後期にかけて妊娠性歯肉炎が起こりやすくなるのです。

ただ、基本的には歯垢が残存しない清潔な口の中では起こらないか、起こっても軽度で済むと言われているので、妊娠中は特に気をつけて歯磨きを行ないましょう。

歯肉炎を放置してしまうと、歯周病に移行してしまう為注意が必要です。

また、まれに妊娠性エプーリスという良性腫瘍ができる場合もありますので、その場合は歯科を早めに受診してください。

 

妊婦さんが歯周病にかかってしまった場合、低体重児および早産の危険度が高くなることが指摘されています。

これは口の中の歯周病細菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に直接感染するのではないかといわれています。

その危険率は歯周病にかかっていない人と比べると実に7倍にものぼるといわれ、タバコやアルコール、高齢出産などよりもはるかに高い数字なのです。

歯周病は治療可能なだけでなく、予防も十分可能な疾患です。

生まれてくる元気な赤ちゃんのために、確実な歯周病予防を行いましょう。