みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の小島です。
7月に入り暑さが厳しい日が続いていますね。みなさん、熱中症には十分お気をつけ下さい。
さて、今日は女性ホルモンと歯周病の関係についてお話したいと思います。
まず歯周病とはなにか?というところですが、歯周病菌の感染によって歯肉が赤く腫れたり、出血したりする病気(歯肉炎)で、進行すると歯を支えている骨が溶けてしまい最終的には歯が抜けてしまうという病気(歯周炎)になります。
そして女性ホルモンとの関係ですが、初潮を向かえる思春期、妊娠・出産、そして閉経を前後とする更年期に、ホルモンバランスが大きく変化します。これらの期間には、思春期性歯肉炎、妊娠性歯肉炎という病名も存在し、適切な処置を怠れば、歯肉炎から歯周炎と進行する場合も少なくありません。
①思春期のケア
思春期に入って女性ホルモンがつくられるようになると、それに反応して歯肉炎が起こりやすくなります。また、試験勉強などでストレスも多い時期なので、体の免疫力も下がって歯肉が腫れやすくなります。お菓子をたくさん食べたり、ダイエットをしたりと食生活が乱れがちなこの時期は、虫歯も増えます。食事は3 食きちんととって、よく噛んでゆっくりと食べること。そして、睡眠時間をたっぷりとるように心がけましょう。もちろん、食後の歯磨きも大切なので正しいブラッシング方法を歯医者さんでマスターしましょう。
②妊娠期
妊娠中の女性が歯周病にかかると、早期低体重児出産のリスクが約7倍も高まると言われています。妊娠中は女性ホルモン(エストロゲンなど)の分泌が盛んになります。このホルモンを好む歯周病菌が増えることにより、歯肉炎になりやすくなります。
つわりがあるとブラッシングが不十分になりやすく、嘔吐反射があり奥まで歯ブラシを入れられなかったりします。その場合は歯ブラシのヘッドを小さめにしたり、体調の良い時にしっかり磨いたりしましょう。
食欲が増進し、ちょこちょこ何かを食べてしまう場合は、できるだけ食べる時間を決めたり、こまめに歯磨きをしたりしましょう。
③更年期
更年期になると女性ホルモンが減少します。女性ホルモンには、体を潤してくれる機能がありますが、それが減少してしまうと体が乾燥状態になります。肌だけでなく、お口の中の唾液の分泌が減り、口腔乾燥症(ドライマウス)を引き起こします。お口の中が乾燥すると、細菌が繁殖しやすい環境になってしまい、歯周病が進行しやすいので注意が必要です。
唾液の分泌を促す方法としては、よく噛むことと、唾液腺マッサージが効果的です。
正しく磨けているのか、今の自分の歯肉はどういう状態なのかを定期的に歯医者さんで診てもらうことで、虫歯や歯周病の予防に繋がります。お子さんやご自身の健康のためにも定期的に歯科検診を受けることをお勧めします!