みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の小島です。
今日は誤嚥性肺炎についてお話しします。
誤嚥性肺炎とは、細菌が唾液や胃液と一緒に肺に流れ込んでしまい、細菌が繁殖し炎症を起こすことで起こる病気です。
日本人の死亡原因の第4位は肺炎です。肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位に順位があがります。
そして、高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥(食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管や気管支内にはいること)に関係していると言われています。
誤嚥性肺炎の兆候として、咳き込む、発熱がある、濃い痰が多いが挙げられます。
他にも元気が無い、食事時間が長くなった、食後に疲れてぐったりする、ぼーっとしていることが多い、口の中に食べ物をためこんで飲み込まないなどの症状にも注意が必要です。
そこで誤嚥性肺炎の予防方法を挙げていきます。
・食事中や食後の姿勢に気を付ける
できるだけイスで食事をすることが大切です。そして、足で床を踏ん張って、少し前かがみの姿勢が食事を摂るときには理想的です。しかし、イスで食事をする事ができないケースももちろんあります。ベッドの上で食事をとる場合にも、足を踏ん張れるような姿勢を作ることが大切です。
また、食事の後にはすぐに横になるのを避け、少なくても2時間は座っている状態を保つことで、胃の内容物の逆流を防ぐことができます。
・口腔ケア
口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防の他にも唾液分泌の促進や、口腔機能低下の予防、改善にも繋がります。また、全身疾患の予防等にも繋がります。
1)うがい
左右の頬を膨らませて、しっかりと動かしながらぶくぶくうがいをします。頬と唇、舌を使うので、口腔体操になりとても有効です。
2)入れ歯や歯の清掃
介護者が歯磨きを行うときは、反対の手であごを固定したり、唇や頬をよけたりしながら磨くようにします。
2)粘膜の清掃
粘膜は歯ブラシでゴシゴシこすると、口の中を傷つけてしまうことがあります。そのため、頬の内側、唇の内側、歯肉などの汚れをやさしく取り除くグッズとして、口腔ケア綿棒や、口腔ケアスポンジ、口腔ケア用のウエットティッシュを使うのがお勧めです。
3)舌の清掃
舌苔が付いているときに、スポンジブラシや柔らかい歯ブラシで奥から前にやさしくこすりとります。
4)歯ブラシストレッチ
歯ブラシの背の部分で頬の内側を外へ押し広げながら、上下に3回程度動かします。
5)うがい
仕上げに洗口液を使用するのもおすすめです。
お口の中をケアすることは、誤嚥性肺炎以外にも、様々な全身疾患を予防することに繋がります。もしお口のケアのことでわからないことがありましたらお気軽にスタッフにお声掛け下さい。