みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
今日は風が強かったですねー!蓮田近辺は雪も大分溶けてなくなりましたが、皆さんのところはいかがでしょうか?
突然ですが、丁度一週間前私は歯科医療のボランティアに参加してきました。
場所はフィリピンのセブ。
思えば東日本大震災の際、何か自分に出来ることは無いかと考えた時に思い浮かんだのが歯科でのボランティア活動でした。
震災後、避難をすることができない方や避難することを拒む方も沢山いらっしゃると聞きました。
そしてその中での歯科の手が足りていないということも。
結局、当時は自分自身の診療の都合等もあり活動に参加することができませんでしたが、それがボランティアに興味を持つきっかけとなりました。
出発当日、前日の雪の影響で成田空港に到着したのはフライト予定時刻の3時間以上あとでした。
もちろん飛行機はすでに飛び立ってしまっていたため、その日のフライトを断念。
スタッフの方々の尽力により、なんとか一日半遅れでフィリピンへと発つことが出来ました。
到着した翌日からはいよいよ診療が始まりました。
診療はいくつかの部門に分かれて行うという形態でしたが、私は今回充填(削って詰める)部門に配属されました。
場所は市内の小学校の教室です。もちろん歯科用の診療台があるわけではありませんので、患者さんはよくプールサイドやビーチにある椅子?ベッド?に寝てもらい、ポータブルの診療道具を用いて診療をしました。
診療は現地のドクターとペアを組んで行います。
通常の診療と比べたら確かに器具器材が充実しているとはいえませんでしたが、それでも私自身が予想していたより恵まれた環境であり、これなら一定レベルの治療をすることができると思いました。
それに対し、私が今回の活動の中で一番悩んだことは、限られた時間、限られた設備の中でどこまで手を出すべきかということでした。
今回の患者の方々は、普段は歯科治療を受けることができないから、こういう機会に治療を受けに来られています。
ということは今日治療を受けたら、その後はしばらく歯科治療を受けることができないかもしれません。
大きな、痛そうな虫歯が何本もある方もいらっしゃいました。
本来ならそれら全ての歯を治療するでしょう。
しかし、大勢の患者さんが待っている中、ひとりの患者さんだけに長時間費やすことは出来ません。
悩んだ末、一番治療の効果が上がりそうな歯を選択し治療します。
普段の診療であれば、当然のように保存(抜かずに残す)を選択する歯であっても、この場所ではそう出来ないケースも多々見ました。
治療すれば良くなるのに。
それができない自分への不甲斐無さと、患者さんの口腔内から現実の厳しさを痛感させられました。
いろいろな葛藤を感じながらの診療でしたが、患者さんは治療を終えると満面の笑みと感謝の言葉をくれて「本当にありがとう!」といった感じで帰っていきました。
なんだか、こちらの心まで温かくなるような本当に良い笑顔でした。
全てがすべて満足いくようにすることは出来ませんでしたが、その笑顔と態度を見ていて自分はこの仕事を選んで本当に良かったなと素直に思いました。
私のホームは日本です。
蓮田の勝沼歯科医院です。
ここを選んで来院してくださる患者さんに、自分が出来る精一杯のことをしていこう。
より良い医療を提供していけるようこれからも精進していこう。
そう改めて思わせてくれた5日間でした。
そして機会があれば、是非また参加をさせていただきたいと思っております。
最後になりましたが、今回関わってくださった全ての方々、そして勝沼歯科医院スタッフ、患者さん、おかげさまで内容の濃い幸せな時間を過ごすことができました!
本当にありがとうございました!