みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
あっという間に8月が終わり、9月に入りましたね!
8月が終わり、夏が終わっていくのは、いつになっても寂しさを感じます。
さて、本題に入ります。
前回は
日本では、80歳以上になっても20本以上の歯が残っている人の割合が年々増加しているということ。
そして、一日に行う歯みがきの回数も年々増え続け、2016年時の調査では96%超の人々が少なくとも1日1回は歯磨きをしており、80%近くの人々は1日2回以上歯磨きをしているということ
しかしながら、むし歯の数は減っているどころか現在も増え続けているということ
それらについて書かせていただきました。
今回は、歯を病気から守るために行う歯磨きの回数は年々増えているにも関わらず、なぜむし歯は増え続けているのか?
という点について書かせていただきたいと思います。
むし歯が増え続けている理由 その1
歯みがきが最高のむし歯予防の手段であると過信していた ということ
えっ?むし歯予防には歯磨きが一番大切なんじゃないの?
そう思われた方も沢山いらっしゃるかもしれません。
確かに歯みがきをする習慣は大切です。
しかし、歯みがきで100%完璧に口の中のプラークを取りきることは不可能です。
そして、磨きづらかったり、磨き方の癖で、プラークが残りやすい部分(ほとんどの場合は、歯と歯の間や咬む面の溝、あるいは一度治療した詰め物や被せ物と歯との境目)からむし歯ができます。
「歯みがきさえちゃんとしていればむし歯にならない」
という歯みがきの効果に対しての過信が、むし歯発症を抑えきれない理由になっています。
むし歯が増え続けている理由 その2
フッ化物(フッ素)の普及状況
フッ化物の応用は、むし歯予防に最も効果的な方法だという医学的な根拠があります。
(フッ化物の使用法についてはまた別の回に書かせていただきます!)
日本で最もなじみのあるフッ化物の応用法としては、フッ化物配合の歯みがき粉が挙げられます。
今でこそ、日本で市販されている歯みがき粉のほとんどにフッ化物が含まれていますが、1991年時点でのフッ化物配合歯みがき粉の市場占有率は、欧米諸国では90%以上だったのに対し、日本では40%だったそうです。
そして、フッ化物配合の歯みがき粉が普及してきた現在でも、適切に応用している人は多くありません。
フッ化物の応用は重要なむし歯予防方法の一つですが、普及の点で遅れをとっているというのが現状です。
また、年間一人当たりの砂糖消費量も増加しています。
例えば飲料だけを考えても、一昔前まではお茶や麦茶、水が主流だったのに対し、現在はスポーツドリンクやエナジードリンクなど砂糖を大量に含む飲料があふれています。
しかもそれを飲みたくなったら、近くのコンビニエンスストアに行けばすぐに購入できる。飲みたくなったらいつでもどこでも摂取できる、という現在の利便性もむし歯リスクを高める一つの要因になっているようです。
ということで、
昔よりも現在の方が歯みがきの回数は増えている一方、
昔よりも現在の方が砂糖の摂取量や砂糖の摂取機会が増えていたり
歯みがきが最も効果的なむし歯予防法だと信じていたのに
実はフッ化物の応用が最も効果的なむし歯予防法の一つだと(現時点では)証明されていたり
本日お伝えしたいことは
むし歯は何か一つのことだけを気を付けていれば防げるのではなく、思っている以上に様々な要因が絡んでいる。 ということです。
逆に、一つのリスクをつぶすことが出来ないとしても、それ以外のリスクに対応することでむし歯を予防することも可能です。
それぞれの具体的な方法については、今後またここに書いていけたらと思います☆
それでは、9月もコロナに気を付け、移り行く季節を満喫しましょう!