虫歯の予防について(フッ化物編)

みなさんこんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼智彰です。
今回も虫歯予防について書かせていただきます!
今回のテーマは「フッ化物」についてです。

虫歯予防に関心のある方であればご存知の方も多いと思います。
フッ化物に関しては安全性を心配される方もいらっしゃるかと思いますので
今回は虫歯予防における「フッ化物の効果」と「正しい使用法」と「安全性」についても書かせていただきます。

結論から言えばフッ化物を正しく使う事により安全に高い虫歯予防効果が得られます。

ではまず「フッ化物の効果」について
①再石灰化の促進
②脱灰の抑制
③結晶性の改善
④細菌の代謝阻害
により虫歯を予防します。
簡単に言えば「歯を強くする」効果と「細菌を弱らせる」効果があるという事です。

次に「正しい使用法」について
フッ化物製品には
①歯磨剤
②洗口剤
③ジェル
④バーニッシュ
などがありますが、これらは全て虫歯予防効果が認められています。
この中でも最も信頼性の高いものが「歯磨剤」になります。
今回は歯磨剤の使用方法について詳しくご説明します。

まず確認していただきたいのはフッ化物の「濃度」と使用する「量」です。
フッ化物の濃度はppmという単位で表記されています。
年齢に応じて濃度や量が変わります。以下に推奨されるフッ化物配合歯磨剤の使用料を示します。

2歳以下 500ppmの歯磨剤を3mm(歯ブラシに擦り付ける程度)
6歳未満 500ppmの歯磨剤を5mm(えんどう豆大)
6〜14歳 1000ppmの歯磨剤を1cm
15歳以上 1500ppmの歯磨剤を2cm
特に永久歯が生え始める6歳から生え終わる15歳までは非常に虫歯のリスクが高く、フッ化物の効果を最大限に利用したいところです!

歯ブラシは1日2回以上、1回2分を目安に行います。
そしてブラッシングが終わった後は「一度だけ、軽くゆすぐ」ようにしましょう。
歯磨き後は口をあまりゆすがないほうが、歯磨剤に含まれるフッ化物が口の中に留まるため虫歯の予防効果が高まります。

最後に「フッ化物の安全性」についてです。
フッ化物に関しては多量に摂取しなければ問題ありません。
ちなみに「フッ素」は猛毒と言われていますが歯科で使用されるものは「フッ化物」ですのでご安心ください。

しかし小さなお子様の場合はやはり注意が必要です。
中毒量は体重20kgの5歳児であれば1000ppmの歯磨剤33mlを飲み込んでしまった場合となります。
まずフッ化物配合の歯磨剤は乳幼児の手の届かない所に保管しましょう。
万が一大量に飲み込んでしまった場合はすぐに牛乳を飲んで中和します。

以上のことを踏まえて、正しく安全に使用すれば
フッ化物は虫歯のコントロールに大きな効果を発揮してくれます。

気になることがあればいつでもご相談ください。

次回も虫歯予防について別の視点から書かせていただきますね!