みなさんこんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼智彰です。
段々と本格的な寒さになってきました。
体調管理にはより一層気を引き締めていきましょう!
さて、今回は「かみ合わせ」について書かせていただきます。
まずはじめに歯のかみ合わせというのは何のためにあるのか?
かみ合わせが悪いというのはどういう事なのか?
を説明させていただきます。
かみ合わせの役割としては大きく分けると2つあります
1.歯の支えによって顎の位置を安定させる役割
上と下の歯はいずれも頭の骨の一部から生えてきています。
この顎の骨格の支えとなっているのが歯です。
歯を失っていない方であればお口を閉じてくればどこかで歯がぶつかって止まります。
逆に歯を全て失ってしまっていれば、本来の位置よりも顎の位置は深い所まで閉じてしまいます。
ですので歯がある事によって、骨格の一部である顎の位置も安定させる事が出来るのです。
顎の位置が不安定になれば、顎関節症のリスクなども高くなる可能性があります。
2.食事をする役割
これは当たり前の事かもしれませんが、上と下の歯がしっかりと噛み合わさる事によりさまざまな物が咀嚼出来る様になります。
ですので、歯のかみ合わせというのは食事をする上で非常に重要な役割をもっています。
では良いかみ合わせと、悪いかみ合わせとはどんな状態の事をいうのでしょうか?
それは、上記の役割を果たせているか、いないのか
です。
例えば歯並びが悪いとか、奥の歯しか当たっていないとか、歯がすり減っているとか、何となく見た目で判断してしまいがちですが、実はこの見た目だけでは良い状態なのか、悪い状態なのかは分かりません。
勿論、審美的に美しい歯並びと言うのも大切でしょう。
しかし、見た目が綺麗に整っているからといって良いかみ合わせであるとも言い切れないのです。
そして、生まれつきの歯並びで悪いかみ合わせの人はほとんどいません。
奥歯に被せ物の治療が複数行われていたり、歯が抜けて長期間そのままになってしまっていたり、矯正治療で歯の位置が大きく変化している場合などにかみ合わせが変化します。
これに伴って、本来噛みたい位置と、歯が噛み合う位置がずれてしまう、もしくは歯の役割がうまく働かない形態になってしまう事により、悪いかみ合わせになってしまうのです。
そしてさらに!
かみ合わせの状態は年齢と共に変化していきます。
天然の歯には、歯根膜と呼ばれる組織があり、この歯根膜の働きにより歯の位置は微妙に変化します。
また、天然の歯の表面にあるエナメル質は、一度すり減ると再生はしません。使い込んでいくうちに咬合小面と呼ばれる面ができていく事により歯の形も微妙に変化していきます。
この変化の事をアダプテーション(順応)といいます。
歯の位置と、歯の形を上下の歯でうまくバランスを取りながら最適な状態に体が調節してくれているのです。
人間の身体は凄いですね!
このようなメカニズムを考えるとやはり安易に歯を削る治療というのは控えなければならないですし、人工的に歯を補う場合それぞれの特徴を考慮した上での治療計画が必要になってきます。
なにはともあれ究極の治療はやはり予防です。
生まれ持った良いかみ合わせを維持出来るよう是非予防をおすすめします!