みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の小島です。
よく患者さんに洗口液についての質問を受けることがあるので、今回は洗口液についてお話をしたいと思います。
まず、虫歯や歯周病は、細菌や細菌の作り出す産生物の集合体であるバイオフィルムによって引き起こされる病気です。
バイオフィルムの表面にはバリアが形成されていて、薬剤はバイオフィルムの内部まで浸透していかず、内部の菌を攻撃することができません。そのため、バイオフィルムは歯ブラシで物理的に除去する必要があります。洗口液だけでは除去できません。
では、洗口液にはどのような効果があるのでしょうか?
洗口液の種類は様々ですが、3つの種類に分けてお話したいと思います。
1.ビスビグアニド消毒剤(コンクール)
歯の表面やバイオフィルムの表面に付着し、長くとどまるため、さらなる菌の付着を防ぎます。
しかし、バイオフィルムの内側には浸透しないため、バイオフィルムの除去はできません。
副作用として、味覚障害や着色(短期間であれば含嗽をやめると消失します)、上皮の剥離・灼熱感が挙げられ、長期間の使用は推奨されていません。
2.フェノール系消毒剤(リステリン)
口腔内に長くとどまる力が弱いため、コンクールと比べると菌の抑制効果は低いです。
そのため、ブラッシングをして歯面をきれいな状態にしてから使用することで歯肉の炎症を抑える効果があります。
リステリンにはアルコールとノンアルコールがありますが、効果はどちらもほぼ変わりません。
また、必ずなるというわけではありませんが、口腔ガンの懸念があります。
3.四級アンモニウム化合物(モンダミン、GUM、システマSP-T)
コンクールと同じくらい口腔内に成分がとどまるため、菌の付着を防ぎます。
しかし、歯肉の炎症を抑える効果は劣ります。
洗口液で効果の高いものは、1〜3の順ですが、歯磨きの効果を補う補助的なものになります。歯周病の予防効果はあっても、歯周病を治す十分な効果はありません。(軽度の歯肉炎なら効果はあります)
また、洗口液と液体歯磨きの違いもよく聞かれるのですが、洗口液は歯磨きをした後に使い、液体歯磨きは歯磨きの前に使います。各メーカーの推奨する使用方法に沿って使いましょう。
1番大切なのは歯磨きでしっかり汚れ(バイオフィルム)を落とすことです。しっかり汚れを落とすためには、みなさんの歯並びなどに合わせた歯ブラシの当て方を知ることが大切です。
洗口液も、アルコールが入っているものなど、粘膜が過敏な方には向かないものもあります。
詳しくは歯医者さんで相談をしてみましょう。