みなさんこんにちは
勝沼歯科医院の勝沼智彰です
前回で根管治療編はひと段落となりましたが
今回は究極の根管治療について書かせていただきます!
究極の根管治療
それは
歯髄(歯の神経)を取らない治療法です。
虫歯が進行して、歯髄に到達すると歯髄に感染が起こり歯髄炎を起こします。
歯髄炎が進行すると強い痛みが生じてやがて歯髄壊死(歯髄が死んでしまう状態)となります。
根管治療ではこの歯髄を全て取り除いてから根の中を詰める治療を行いますが
感染が根の先の方まで進行していなければ歯髄を残すことが出来る場合もあります!
つまり、虫歯が歯髄まで達していたとしても歯髄を残せる事もあるという事です。
歯髄を残す利点としては
1.根管治療をしなくて済む分治療の負担が軽減される。
根管治療だけでも治療の回数が3〜5回程必要になります。
さらに、根管治療をした歯には被せ物などの補綴治療が必要になる為費用も掛かります。
2.根管治療をしない事により歯が折れるリスクを軽減する事が出来る。結果的に歯が長持ちする。
歯髄を失った歯は歯髄が生きている歯と比較して割れて抜歯になる確率が高くなります。
治療の流れとしては
1.感染を起こしている部分だけを取り除きます。
2.歯髄を残せると判断した場合は、歯髄を保護するお薬を詰めます。
3.更に外側の部分には接着処理を行い、しっかりとフタをします。
4.数ヶ月経過を見て痛みや違和感等が無ければレントゲン撮影を行い根の周りの骨の状態などを確認します。
5.仮詰めの部分を最終的な詰め物に置き換える処置を行います。
歯髄に直接触れるお薬は、親和性と呼ばれるいわゆる歯髄に対して害となるような刺激を与えないようなもの、なおかつ隙間から細菌が再び入らないようにするためにしっかりと隙間を塞ぐための封鎖性等が求められます。
細菌感染は目には見えないので、感染を起こしているかどうかは歯髄の状態をよく観察したうえで処置を行っていく必要があります。
本来であれば歯髄を取る処置の適応になるような大きな虫歯でも、歯髄を残せる望みがあればできる限り歯髄を残す処置をさせていただいております。
結果的に痛みが出てしまい、歯髄を取る治療が必要になってしまう事もありますが
残す事の出来る歯髄をしっかりと見極めて適切な処置を行う事で歯髄を救うことの出来る可能性は充分にあるのです。
全ての治療に言える事ですが、悪くなる前に治す事。
これが1番の治療法だと考えます。