みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
10月に入りました。今年も今月を含めても残すところ3ヶ月となりましたね。
気候的にも、物事に集中しやすいこの時期。
何か新しいことを始めるのにも良い季節かもしれませんね。
さて、本題に入っていきます。
これまでに
歯周病がどんな病気なのか
何が原因で発症するのか
どんな症状が現れるのか
そして歯周病になってしまった時どんな治療法があるのか
それらについてお話させていただいてきました。
歯周病の治療は、主にその原因となるプラークの除去や歯石の除去を行っていきます。
前回までのタイトルに“歯科衛生士編”と書きましたが、それらの治療は歯科医師も行います。専門の機器を用いての歯石の除去やプラークの除去は歯科医師と歯科衛生士のみが行うことのできる治療です。
これらの治療を行うことによって、その原因となっていたものが排除され、その結果歯周病は治っていきます。
ある一定レベルまでであれば・・・
そうです。残念ながらすべてが全て、これらの治療だけで治るわけではありません。
単純に申しますと、歯周病が進行すればするほど、治療は困難になり、治すことが難しくなります。
そして進行した歯周病の中でも、特に治すことが難しい状態がいくつかあります。
本日は先にそれらの治療が困難な歯周病の状態についてお話いたします。
歯周病は口の中の病気でありますが、それと同時に全身の一部の病気であるといえます。
ということは全身の状態が歯周病に影響を及ぼすこともあるということです。
全身的な病気と歯周病の関りについてもいずれお話をさせていただこうと思いますが、今回は歯周病単味で考えたときに治療が難しい状態についてお話いたします。
~その1 垂直性(楔状)の骨吸収がある場合~
数回前のこのブログで「歯周病は進行していくと歯の周囲の骨が吸収されてなくなっていく」というお話をさせていただきましたが、これも以前お話させていただいたように「歯周病は全部の歯に起こるわけでもなければ、1本の歯の中でも歯周病の部分とそうでない部分が混在している」こともある病気です。
もしも1本の歯の周りがまんべんなく全く同じレベルで歯周病が進行してくれれば、歯槽骨は同じ高さ分だけ、デコボコなどできずに、水平に吸収してくれるわけですから、治療の視点で考えたら非常にシンプルで治すのが比較的容易な状態ということになります。
ですが実際はそうはいかず、頬っぺた側はケアが行き届いているけど、歯間ブラシやフロスを使用していないため歯と歯の間は常に磨き残しがある・・・
こんな状態が続くと頬っぺた側の骨は吸収されずにしっかりと高さが残っているのに、歯と歯の間は歯根の先の方まで骨が吸収して無くなってしまっている。
実はこんな状態のことが山ほどあるのです。
歯槽骨の形がデコボコしており、ここは骨がちゃんとあるけど、1mmずれたところはまるで崖のように骨がない。
この状態だけでも治療の難易度が上がるわけですが、この骨のデコボコは実際は歯ぐきで覆われているため目では見えていません。ですからプローブという器具で骨の形や歯根の表面についている歯石を探知しながらデコボコの周囲の汚れを取っていきます。歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間の細い溝に器具を入れながら。
これ、実はすごく難しいのですね。
歯石をはじめとする歯根表面の異常を探知することも簡単なことではありませんし、探知できたとしても歯周ポケットから器具を挿入してその原因を除去すること自体が物理的に不可能なこともあります。
今までお話させていただいた治療法(歯周基本治療といいます)では改善が難しい場合は、さらに進んだ治療計画を立案します。
そして、その2・・・
は、また次回にお話させていただきますね☆