みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
9月に入りました。まだまだ暑い日が続いておりますが、これからゆっくりとでも確実に秋へと移り変わっていくのでしょうね。
私の場合、8月に入った時点で段々と気分はセンチメンタルになっていきます。笑
この年になっても毎年夏が過ぎていくのを感じると寂しい気持ちになります。
さて、早速ですが本題に入っていきたいと思います。
この歯周病シリーズも回を重ねてまいりましたが、今回はその治療法についての3回目。
歯科衛生士が行う歯周病治療について、もう少しお話させていただきます。
何度も繰り返しになりますが、歯周病の主原因は細菌性のプラーク(バイオフィルム)です。
このプラークは身体の免疫機構や抗生物質、抗菌薬に対してはめっぽう強い抵抗力を持っていますが、その一方で適切な歯みがきをすれば、その力で容易に取り除くことが出来るというお話をさせていただきました。
そのため、歯周病を治すためには歯みがきが非常に重要な要素になるということもお伝えしてきました。
しかし、残念ながら歯みがきだけでは解決できない問題もあります。
その1つが歯石です。
そして、本日は2つ目についてお話させていただきます。
その2 歯肉縁下プラーク
歯と歯ぐきとの境目には、歯肉溝と呼ばれる溝があります。
歯肉溝は歯ぐきが健康な人にも存在する正常な状態です。
この場所にプラークが蓄積してくると、歯ぐきが腫れたり、あるいは歯槽骨が溶けてくることによってこの溝が深くなります。この深くなった溝のことを歯周ポケットと呼び、これは病気にかかっている状態です。
この深くなった溝、歯周ポケットの中は歯周病菌にとって最高の住処となります。
なぜかというと・・・
歯周病菌は酸素が嫌いなため、酸素が行き届きづらいポケットの中は歯周病菌にとってとても居心地が良いということ。
また、ある種の歯周病菌は血液が大好物です。炎症を起こしている歯ぐきは出血もしやすく細菌にとっては食べ物の宝庫。エサに困ることがありません。
そして、もう一つ。この溝の中には歯ブラシの毛先が届きません。もちろんうがい薬なども届きません。
いくら歯みがきをしても、歯周ポケット内の細菌たちにとっては、「上の方で何かやってるな」くらいなものでしょう。
この最高の環境の中でプラークはどんどん成熟していきます。
歯みがきをしても届かないのであれば・・・
ここはプロの出番です!
歯石の除去の時と同じように、スケーラーという器具を用いて歯周ポケット内のプラークを除去していきます。
この時、歯石と違うことは、軟らかいプラークは硬い歯石と違い探知が難しいということです。ましてや歯周ポケットの奥深くで起きていることですから目で視ることも出来ません。
では、どうやってプラークを取るのでしょう??
取ることが出来るのです。訓練を積んだ歯科衛生士であれば。
これが歯科衛生士の行っている治療の一端です。
一言に歯のクリーニングと言いましても、
表面についている見えている汚れを落とすということから、
歯石の除去、そして、歯ぐきの中のプラークの除去と
様々な状況があります。
それ故、同じクリーニングだとしても治療の難易度は様々です。
次回は、じゃあ歯科医師が歯周病に対して行っている治療は?
それについてお話させていただけたらと思います!
なにか不安なこと、疑問なことなどあればいつでもご相談くださいね☆