根管治療について(根管洗浄編)

皆さんこんにちは。

勝沼歯科医院の勝沼智彰です。

本日は台風が接近中との事です。来院の際はお気をつけていらして下さい!

 

さて、今回は前回に引き続き根管治療について書かせていただきます。

今回のテーマは「根管洗浄」についてです!

以前までのブログにも書きましたが、根管治療の目的は根管の中の感染を取り除く事です。

前回のブログで書いた根管形成では、根管壁(根っこの内面の部分)を削り取る事により、感染を除去するのですが

実はこの根管形成だけでは複雑な形態をした根管内の感染を完全に取り除くことは不可能なのです!

根っこの中は途中で枝分かれしていたり、曲がっていたりするため器具が直接届かない部位がどうしても出てきてしまうのです。

そこで必要となるのが「根管洗浄」です!

これは、消毒、洗浄作用のある薬品を根管内に作用させて、器具が届かない所まで殺菌することが出来ます。

それぞれ作用の異なる薬剤と超音波の機器を併用する事により、より洗浄効果を高めることが可能となります。

今回は当院で行なっている根管洗浄についてご紹介させていただきます。

まず使用している薬剤は

1.次亜塩素酸ナトリウム+精製水

高い殺菌力があり、根管内の細菌を死滅させる働きがあります。

原液では濃度が高すぎるので精製水で薄めたものを使用しています。

また、有機質溶解作用があり根幹内に残った歯髄の残りカスなども洗浄できます。

 

2.EDTA

キレート効果という無機質溶解作用により、根管内の削りカスなどを除去します。

根管内には象牙細管と呼ばれる目には見えない細かい穴が無数にあるためそこに細菌や削りカスが溜まらないようにする働きがあります。

 

3.根管内洗浄用超音波チップ

細く複雑な形態の根管内に上記の薬剤がしっかりと行き渡るよう専用のチップを用いて超音波の振動により洗浄効果を高めることができます。

 

これらの1〜3の工程を組み合わせて、繰り返し行う事により根管形成だけでは取りきれなかった感染を取り除く事が可能となるのです。

話をまとめると

殺菌作用のある薬剤で細菌を死滅させる、そして削りカスなどが残らないよう溶かして除去する、薬剤を隅々まで行き渡らせるために超音波の器械を併用する。

そしてそれを何度も念入りに繰り返す。

 

しかしこの根管治療はまだまだ終わりません。。。!!

実は根管形成と根管洗浄だけではまだ不十分なのです。

この先には根管貼薬と根管充填という課題が残されています。。

これについてはまた次回以降のブログで書かせていただきますね!