みなさんこんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼智彰です。
さて、前回に引き続き根管治療をテーマに書かせていただきます。
今回は根管治療の際に必要な「根管形成」についてです!
根管とは歯根の中に通っている歯髄(神経や血管)の通り道の事を言います。
根管形成の目的は
1.根管の中に入り込んだ細菌を取り除く事
2.狭く複雑な形態の根管を拡げて、単純な形にする事により消毒の薬を根の尖端まで届くようにする事
3.根管治療の仕上げの治療の根管充填を確実に行える環境を作る。
などが挙げられます。
以前のブログにも書きましたが根管治療の目的は根っこの中の感染を取り除く事。そして再び感染が起こらないようにする事です。
ですのでこの根管形成が適切に行われているかがとても重要になってきます。
治療の手順としては
1.根管の入り口を探す。入口の形を整える。(根管口明示)
2.根管の中にファイルと呼ばれる針のように細いヤスリの器具を入れて、根管の方向を確認する。
3.根管長測定器という機械を用いて根管の長さを確認する。
4.根管の方向と長さが決まったらファイルの太さを細いものから、徐々に太いものへサイズを上げて根管を拡大していく。
5.削りカスが詰まらないように、こまめに薬液と超音波の器具で洗浄を行う。
6.根管の中に薬を入れて、仮蓋をする。
大まかにはこのような流れになります。
しかしこの一つ一つの工程にも注意点が山ほどあります。
根の中は暗くて狭いため、的確な治療を行うためには明るく拡大された視野での治療が望ましいです。
そのため当院では必要に応じてマイクロスコープや、拡大鏡を用いた治療を行っています。
明るく拡大された視野で治療を行う事により、根管口の見落としや、根管内の汚染物などの確認がしやすくなります。
また、根管の形態が曲がっているようなケースでは、ニッケルチタンと呼ばれる形状記憶合金のファイルを用いて、根管の拡大を行います。
ニッケルチタンファイルを用いる場合は回転スピードやトルクをコントロールできる専用の器械を使います。
ニッケルチタンファイルを用いる事により、効率よく複雑な形態の根管の拡大が行えます。
しかしこのマイクロスコープやニッケルチタンファイルを使いさえすればうまくいくというわけではありません。
術前の診断から治療計画を立て、一つ一つの治療工程で手を抜かずに治療する事が大切になります。
最善の治療を提供できるよう日々心掛けております。