みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
6月に入りました。2018年も今月いっぱいで半分が終わります。
年々、月日の流れが早くなってきていると感じています。汗
これから梅雨に突入し天候の不安定な日が増えてくると思いますが、体調管理にも気を配っていきたいですね。
さて、前回までに歯周病という病気が世界でどれだけ蔓延しているか。
そして、何故それほどまでに罹患者が多いのか?
その原因と、歯周病が発症するメカニズムについてお話させていただきました。
では、この歯周病という病気は治すことが出来るのでしょうか?
その治療法はどんなものがあるのでしょう?
前回までお話させていただいたように、歯周病の主原因は細菌性のプラークです。
プラークとは細菌の集合体であり、強力なバリアを纏っているような状態ですから体の免疫力や抗生物質が思うように奏功しません。
であれば、治療法は一つ!
それらを直接取り除く= 歯磨き これが最大の効果が得られる治療法です。
普段の生活に馴染みのある歯磨き。「そんなのだけで治るの?」と思いませんか?
そうなんです。歯周病の治療は思っている以上に単純なのです。
でも、だからこそ、そこに落とし穴があるのです。
このブログを読んでくださっている方は、間違いなく一般の方の中でもより歯や口のことに関心を持たれている方だと思います。
そうでなくとも日本人の大部分の方々には歯磨きをする習慣があります。
皆さんのご家族やご友人の方を考思い浮かべていただいてみても、そうではありませんか?
大半の方は歯磨きの習慣がある。
それなのに、それに反して歯周病罹患者は成人の8割以上に上る。
何故なのでしょう?
答えは、磨き残しがあるからです。
もしも歯科医院で歯磨きの仕方の指導を受けたことが無い方であれば、その方の歯磨きの仕方というのは小学生、もしくはそれ以前からの自己流が基となって現在の年齢までそのやり方を毎日繰り返してきています。
その磨き方が正しい正しくない以前に、幼少のころからの習慣を至極当たり前にそのやり方を疑わずに通してきている方がほとんどです。
それから月日が経ち成人され一人前になった方々に対して歯磨きの指導をしたとしても、
「何をいまさら・・・」
「そんなこと子供のころに教わったよ」
「(あなたたちより)長い年月毎日歯磨きしてきているわよ」
という気持ちが先行したり
「仕事が忙しくて、そんなことまでする余裕なんてない!」
「歯ブラシ以外の道具を使うなんて面倒くさくてムリムリ!」
と感じている方が、多いのではないでしょうか。
それもそのはず、
40代の方であれば30年以上
50代の方であれば40年以上
今の歯磨きを毎日続けてきたわけです。
習慣というものを変革していくことはとても大変です。
私自身は歯科医師でありますから、本来理論だけで考えるならばすべての汚れを落とすための知識も技術も持っております。
それでも、やはりスタッフに定期的に診てもらうと磨き残しがあるのです。
しかも、毎回同じようなところに!
頭では分かっていても、まだこれまでの習慣や癖の方がそれを上回って影響しているのです。
そして、分かっていながら「今日は疲れたから」という理由をつけて適当に済ませてしまうことさえも・・・
そうです。たかが歯磨きですが、幼少のころから当たり前のようにやってきた習慣だからこそ
間違えを認めることに抵抗があり
認めることが出来たとしても、今までの習慣が邪魔をし
それ以前に正しく磨くということは意外と難しかったりして
そして、日々の生活の中で歯ブラシ以上に優先順位の高いやるべきこと、やりたいことなんて山程あって・・・
質の高い歯磨きをすることは意外と大変なのです。
しかも、それを一日ではなく毎日そして一生続けて行かなければなりません。
「ここ数年は仕事が忙しくて、歯磨きにまで気を配れなかった。」
「妊娠してつわりで気持ち悪くて、出産後も赤ちゃん優先で自分のことは後回しになっていた」
そういう誰にでもある大変な時期でも、歯周病は進むのを待っていてはくれません。
誰しもが持つ生活習慣の一部であるが故、歯磨きは軽視されやすく
その結果、ここまで歯周病が世界に蔓延しているのかも知れませんね。
と、歯磨きが最大の効果を示す治療法であるといいながら、その難しさばかりが目立ってしまいましたね。汗
でも、大丈夫です!!
今までより少しでも歯磨きの重要さを理解していただけたなら、その習慣も少しずつ変えていくことが出来ると信じています。
そして、実際変わられた患者さんを毎日のように見ております。
ちょっと長くなってしまいましたので、今回はこのあたりで。
次回も治療法についてもう少し続きをお話させていただきます。
何かご質問やご相談のある方はお気軽にお申し付けください。
よろしくお願いいたします!