歯髄炎について

みなさんこんにちは

勝沼歯科医院の勝沼智彰です。

今回は歯髄炎について書かせていただきます。

虫歯が進行してくると、歯の中心部分にある歯髄(神経や血管)に細菌の感染が起こります。

歯髄に感染が起こると、免疫反応により炎症が起こり歯髄炎と呼ばれる状態になります。

歯髄炎の症状としては

1.冷たいものがすごくしみる、痛みが後を引く(1分間以上)

2.何もしていなくてもズキズキと脈打つような痛みがある

3.熱いもので痛みが強くなる

など、とにかく痛みが強く現れてくる事が多いです。

歯髄炎を起こしてしまっている場合の治療法としては、基本的には感染を起こした歯髄を取り除く必要があります。

詳しくは前回の豆知識ブログに書かせていただいた根管治療(抜髄編)をご覧になって下さい。

しかしこの歯髄とは、しみたり痛みの原因になるなら始めから無い方がいいんじゃないか?と思う方もいるのではないでしょうか。

しかし、この歯髄には大切な役割があるのです!

歯の構造はエナメル質、象牙質、歯髄の三層になっています

エナメル質は歯の最も外側にある層で、硬く虫歯になりにくい歯です

しかし、硬いけど脆いためエナメル質だけでは強い力がかかった時に欠けてしまったり、割れてしまう可能性があります

それを補う為に、エナメル質の内側には象牙質があります

象牙質はエナメル質よりも柔らかく、柔軟性のある歯ですので、この象牙質のサポートによってエナメル質の脆さを補っているのです

しかし象牙質は虫歯に対する抵抗力は低いため、外側のエナメル質が中の象牙質を守ってくれているのです

さらに歯髄は、象牙質の内側に血管や神経、そして象牙芽細胞と呼ばれる細胞があります

血流によって、象牙質に栄養を与えて、神経によって虫歯になった時に痛みを発して体に知らせるサインを送っています

象牙芽細胞とは歯の内側から象牙質を作る細胞の事で、これがあることにより、虫歯で歯を削ったり、強い負担がかかるところの歯を厚くして補強する役割などもあります。

しかし残念ながら、歯髄炎になってしまった歯は歯髄を取らざるを得ない状態です。

削った歯や歯髄は二度と元には戻りません。

ですのでそうならない為にも、虫歯の予防、早期発見が大切だと言えます。