みなさん、こんにちは。
勝沼歯科医院の勝沼隆之です。
寒いですね~!関東でも数年ぶりの大雪が降り、その後も記録的な寒さが続いています。
本日私は所属するスタディーグループの勉強会に参加のため、大阪に行ってまいりましたが、大阪も同じくらい寒かったです。
丁度インフルエンザも流行っているようです。
皆様も体調管理に充分お気を付けください。
さて、本日は歯周病について少しお話をさせていただきたいと思います。
口の中の代表的な病気は?
というと一昔前は”むし歯”でした。
みなさんのイメージもそうかもしれません。
確かにむし歯は口の中の病気の代表的なものです。
歯を失う大きな原因の一つでもあります。
しかし、実はむし歯以上にかかっている人が多く、歯を失う一番の原因となっているのが歯周病なのです。
歯周病はその名の通り、”歯”の”周”りの”病”気です。
歯の周りには歯ぐき(歯肉)がありますよね。その内側にはあごの骨(歯槽骨)があり、歯根の表面のセメント質と歯槽骨は歯根膜とよばれるコラーゲン繊維で繋がっており、歯は基本的にこれら4つの組織に支えられています。
歯周病はこれらの歯を支えている組織の病気であり、具体的にはこれらの組織が破壊され、歯の支え自体を失っていく病気です。
先ほども申しました通り、歯周病はむし歯と並び歯の2大疾患とよばれており、歯を失うほとんどはどちらかの病気が原因となっています。
そして歯周病は、世界で一番かかっている人が多い病気としてギネス認定もされている病気なのです。
実際日本人の場合、成人の8割以上の人が何らかの歯周病にかかっているという結果が出ています。
8割以上です。
かかっていない方が珍しい病気。
そんな病気、確かに他に無いかもしれませんね。
これだけかかっている人が多い病気なのに、なぜむし歯ほど有名ではないのでしょうか?
これには理由があります。
それは、歯周病という病気の原因が良く分かっていなかったからです。
少なくともここ日本では歯周病という病気が解明され始めたのがつい3,40年程前です。
それまで歯周病は歯槽膿漏とよばれ、
原因はよく分からないけど、年を取ってくると段々あごの骨や歯ぐきがやせていって、歯が抜けてしまう。
加齢によっておこる止めようのない病気。
そんな風に考えられていました。
3,40年前ということは、現在60代以上の方は今もそう思われている方がほとんどかもしれません。
そしてもう一つこの病気の特徴は、痛みをほとんど感じないということです。
通常歯周病は慢性的に進行する病気で、ゆっくりゆっくりと時間をかけて、しかし確実に進行していきます。
その際痛みは伴いません。
ですから、
「なにか最近歯ブラシの時に血が出るようになったな」
「歯を触るとぐらぐら揺れるようになったな」
と思っていても、痛みを感じないのでそのまま放置してしまうことが多いのです。
口の中の変化を感じていても日常生活に支障が出るほどでもないので、後回しにされてしまうのですね。
そのまま歯周病が進行し、歯ぐきが腫れてきたり、食事の際歯が揺れてうまく噛めなくなってきたり、そういう状態になってようやく受診しようと思われる頃にはもう手遅れ、ということが沢山あります。
歯周病という病気の一番厄介なところは、一度破壊された歯周組織は元通りには戻らないということです。
擦り傷や切り傷とは違い、歯と骨とを繋いでいた組織が一度破壊されてしまうと、二度と元通りには戻らないのです。
むし歯は数十年前と比較して、確実に罹患率が減ってきています。
これは、むし歯に対しては効果的な対策が明確に示されており、それが世間一般にも知れ渡っているからだと考えます。フッ素はその代表的なものですが、お子さんのいらっしゃる方はまず間違いなくフッ素の存在を知っています。
私も学校健診に訪れた際、むし歯が本当に減ったなと実感しています。
それに対して歯周病は、まだまだ間違った認識を持たれている方が多いです。
他の先進国が年々罹患率が減っているのに対し、日本は数十年前から横ばいで現在も8割以上というのが現状です。
これは、我々歯科医療従事者の方にも責任があると考えます。
今回はここまでにさせていただきますが、次回以降歯周病の原因やその治療法・予防法についてブログ等を通じてお伝えしていけたらと考えております。
ご質問やご相談がありましたら、お気軽におっしゃってくださいね☆
それでは、よろしくお願いいたします。